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源氏物語朗読劇「ゆくへも知られぬ宇治の恋」 by 木もれ日
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ナレーション

 先日4月22日、宇治の源氏物語ミュージアムにおいて、懇意にして頂いている朗読サークル木もれ日による朗読劇が行われた。春の京都府庁旧本館で行われた、あの公演の第2弾である。この朗読劇の面白いところは、会場によって脚本や演出をどんどん変えていくところだろうか。オリジナル脚本ゆえのためかとも思う。

 もちろん演出は中田達幸氏による。前回も公演が終わった後、楽屋ではお茶をしながらチェックが入っている。その様子を私も拝見したが、なかなか厳しくもあり、なるほどと感心することもありだった。

 何は兎も角、私にとっては脚本より会場の広さや照明のセッティングが気になるところ。開演1時間ほど前にミュージアムに入った。

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白い木香薔薇

 思ったより会場はコンパクトで、奥行きがあまりないことが助かった。また、真後ろから強い照明が当たっていて、ストロボも焚かなくても何とかなりそうだった。もちろんそれはビデオ撮影をすることに対しての配慮だ。

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匂宮(向かって左)と薫(同じく右)

 最近の朗読劇は演出家を招いていることで、より舞台劇のようになってきている。下手な演劇よりよほどよくできているのではないかと、思うことさえある。これも演出のよさとそれに応えているメンバーの努力のたまものだ。彼女らはあくまでもボランティア活動であって、プロではなくごく一般の主婦などだ。

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大君と薫

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薫と浮舟

 今回の見所はふたりの男性に求愛されて、揺れる女心。正反対の性格を持つ男性は各々に魅力的だ。認知されず卑屈な生き方をしてきた浮舟にとって、誠実な薫は尊敬できる人だ。ただ彼は亡くなった姉の「ひとがた」として自分を引き取って姉の大君の代わりに愛そうとしている。
 薫に対抗心を燃やしている親王である匂宮は、自分を一人の女性として求愛してきた。こっそり闇に紛れてまでして忍んできた。薫の振りをしたという、少々卑劣な真似ではあったが。それでも情熱的に求愛する彼に拒む勇気がない。そのうちどちらにもうち解けられない自分に嫌気が差してしまう。

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ミュージアムの展示

 そのようなシチュエーションが、現代にもないだろうか。ここまで気の弱い控えめな人は少ないと思うが。いや、彼女は単なる優柔不断だったのかも知れない。どちらにするべきか、判断できなかったのだ。だがそれは彼女の生まれ育った環境がそうさせたのだ。認知もされず疎まれながら成長し、誰にも自分が必要とされず・・・ 悲しいことだ。そして初めて必要とされたのだ。そのことに戸惑う浮舟。

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ミュージアム玄関前に咲くシランの花

 激流の宇治川に身を投げた浮舟。亡くなった大君は浮舟を異腹の妹とさげすんではいない。気の弱い妹を「自分自身の道を歩め」と諭す。
 結局彼女は比叡山の僧都に救われ、おのれが大君に救われたように人々を救っていくために出家する。

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青もみじ

 と、こんな風にお話は終わる。源氏物語も若紫など、章の始め辺りまではよく知られているが、ここまで来るとややこしい人間関係や系図で混乱したり、源氏を取り巻く人々があまりにも多くてわかりにくいが、この脚本はここだけでも解る内容に仕上がっているので、宇治十帖の流れを知らなくてもとても楽しめる。また、匂宮と薫のキャスティングがぴったりで、正反対のふたりがよく表せている。

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木香薔薇

 聞きに集まった人の中に、作曲家である尾上和彦氏の姿があり、公演のあとに招いて感想と演出の講釈を受けた。一緒に聞いたのだが、手厳しいことも言われる中、こうすればぐっと引き立つという内容まであって、私までがひとつひとつうなずいてしまった。また、彼は3月に宇治でオペラ 月の影ー源氏物語ー の公演を行っていることもあり、深く読み解いている人でもある。彼が仰るに、紫式部は素晴らしい演出家だと。名前ひとつをとっても、人間模様に合致したnamingを付けているとのこと。
 例えば匂宮は、源氏のオーラを匂わせている。確かにプレイボーイな所がそっくりだ。薫は源氏が薫かお)っているのだと。女性たちの名前はその人を表す名前だとは思っていたが、彼らもそうだったのだ。
 そしてまたナレーション。なぜナレーションが出てくるか。物語の進行だけではなく、現代に現れた紫式部になって観客を引き込ませる。なぜナレーターが舞台を見るのか。しっかり見るのではなく、30度くらいで止めておき、その先にあるものを観客が想像する。

 などなど・・・

 さすがは演出家であり作曲家。オペラを指導していたときと同じくらいに、熱心に指導されていたと思う。源氏物語を語るメンバーは6人だが、そのアマチュアのグループにここまで熱心に指導されていたことが、私には大きな感動だった。

 このメンバーの方々と知り合ってからこういった公演に参加しているが、だんだんと内容が充実していっているように思う。また、それに応えるメンバーの努力も凄まじいものがある。この先どんな風によくなっていくか、その成長を見守る私も襟を正す思いで会場をあとにした。

 
 ところで・・・

 いつも新聞社の記者が取材に来て下さるのだが、この日も京都新聞社のいつもの男性記者の姿があった。定員80名と聞いていたが、開演直前に急遽椅子がいくつか追加もされて、一番後ろに並べられた。しかしお客はそこには来なかったので、これはラッキーとその椅子を脚立代わりに使うことにした。開演して少ししてからその記者は入ってきたのだが、私より背は高いと言っても、やはり高い位置からとは違う。
 私は近づいてそっと囁いた。

   よろしければ椅子をお使い下さい。

 彼は小さく会釈して礼を言うと、椅子の上に立った。きっとダイナミックな写真になっていることだろう。

 そしてまた、もう一人よく見知った顔があった。メンバーの知り合いの女性とビデオのスタンバイをして、いつ録画を始めようかと相談していたとき、スレンダーなスーツ姿の男性が最後尾の席に座った。美山高校の大野校長先生だ。この木もれ日のメンバーの一人と北野寄席で活動もされているので、その応援だ。今朝彼のブログを覗くとしっかり記事になっていた。
 今日は午後から北野寄席にお邪魔して、落語で大笑いをしてこようと思う。
ユーザータグ【 朗読サークル 木もれ日 源氏物語ミュージアム
【2009/04/25 23:18】 イベント | トラックバック(0) | コメント(0) | Page top↑
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