
その1
先日の続きを。香水の街グラースも大詰めとなった。街の中心部の広場に出たのでもう一度行けそうな場所を地図で確認していると、ポンプのようなものが見えた。しかし見慣れた手押しのレバーがない。電車のハンドルのような、ぐるぐる回すように見える取っ手はある。そこへじょうろを持った女性がやって来た。

その2
なるほど!やはりそうなんだと、ひとしきり感心してしまった。そこでフランス語ができないので身振りと日本語で、水を汲んでいるところの写真を撮ってもいいかと言うと、許可が出た。よし!

その3
あ、カメラ目線までいただいて恐縮ですm(_ _)m 「Merci beaucoup」だけは言えるのでお礼を言って別れた。

その4
今度は住宅街に岩山の姿が目の前に現れて・・・?しかし窓が見えるのだけど・・・?

その5
いや、窓どころか、入り口のドアが見える。なに?これ?まさか岩を壁代わりに集合住宅を造った?不思議な造りだなぁとカメラを向けていると、どこからか男性の声で話しかけられた。
Êtes-vous un Chinois ?(あんたは中国人かい?)
Non,Non Japonais!(ちゃうちゃう。日本人やで)
我々が欧米人の区別が付かないのと同様に、彼らもアジア系の区別は付かないのだろう。日本人ならある程度ChinaかKoreaの違いは瞬間で判断することもある。しかしいくら区別が付かないと言っても間違われたくないものだ。

その6
とまぁこんな会話のあと、また細い路地へと足を踏み入れた。

その7

その8
街中アート?彫りかけ・・・ではないと思うのだけど?

その9

その10
階段のどんつきにまた古い水汲み場のようなものが見える。ちょっと行ってみよう。

その11

その12
古い時代のこのような生活感を感じるものをみるのはとても面白い。どんな生活をしていたのだろうかと、思いを馳せるとわくわくしてしまうのだ。

その13
建物をくぐるような通路。陸橋の下を利用して作った部屋の窓が見える。裏口なのか物置なのか。それより火を被ったみたいなすすけた黒い壁の方が気になる。住宅の火事なのか、それとも街が襲われて火をかけられたのか。考えたり想像したりすると、時間はいくらあっても足りないのだった。

その14
今でこそここにはマンホールがあるから上下水の管理はできているが、古い時代はやはり衛生的にもあまりよくなかったのだろうか。

その15

その16

その17

その18

その19

その20
メインストリートまで帰ってくると人の姿が一気に増える。きっと観光客が殆どなのだろう。さすがにアジア系の姿はない。帰りにはちょっと御見世に入ってみようと思う。駐車場のすぐ眼下に「Monoprix(モノプリ)」があるのは確認済みだ。フランスの大手スーパーマーケットのチェーン店で、日本で言う所のイオンモールか。食料品の品揃えがとてもいいのだ。といいながら見るだけになってしまったのだが、見て回るのもとても楽しい。

その21
帰りも同じ600系統。カンヌ行きのバスだ。

その22
運転手さんに行き先を告げて乗車券を買うと、適当なところへ座る。さあ、これから1時間ほどカーブの多い道を帰ろう。もう少し時間も欲しかったが、欲を言えばきりがない。それだけ楽しいグラース旧市街地探検だった。
とても疲れて居眠りをしながら帰って行ったのだが、途中、目の覚めるようなハプニングがあった。半分の行程を過ぎた辺りだろう、バス亭を出たとき、まだドアが閉まりきっていなかったのだ。幸いにも出入り口付近に立っている人がいなかったのは幸いだった。
ではこの続きはまた今度。そろそろこの旅行記も終わりが近づいてきた。