
その1

ようやく始められた紅葉紀行。京都の紅葉は高尾から始まるが、例年通り、今年もここから始められそうだ。撮影は11月6日。紅葉便りとお天気と時間の取れる日との睨み合いだ。
夜が明ける前、真っ暗なうちから自宅を出て、バスを待つ間に白々と夜が明けていくのを見るのが好きだ。そして始発のバスで峠道を上がっていく。その車窓からは暁の色や、色づいている木々が増えていくのを見るとわくわくする。今年のもみじはどんな具合だろう。
終着のバス亭で降りたのは私だけ。ちょっと驚きだ。いや、このあと1時間後に到着するバスならだだ混みだから。通い慣れた石段を軽い足取りで谷底まで下り、それから長い石段を再び上がっていく。重たい機材を担いで上がっていくのはさすがにちょっと息は切れるが、それでもバス亭から10分ほどで山門に到着。山門に近づくにつれ陽が当たっているのが見えてかなり焦りまくり。しかしここで1枚撮っておかないと・・・

その2
なんとか間に合った。だが、例年だとあと数日遅くに訪れていたと思われる。山門を入って陽が昇るのを待っているので、ごく僅かだが、時季が早かったと思われる。

その3
茂ったもみじの葉っぱの隙間から眩しいばかりの陽が差してきて、

その4
辺りを照らし始めた。

その5
先客は若い男性がおひとり、石段の上で見下ろしていた。邪魔にならないように自分も上がり、挨拶をして陽が当たるのを待った。

その6
ちょうどこの辺りに陽が差してくるのだ。見事なくらいに真っ赤になったもみじの葉。さすがだ。

その7
紅葉便りでもこの石段脇のもみじは見頃となっていただけあって、本当に綺麗になっている。ただ、よく見ると石段下の松の木、その松葉の色が茶色くなっていて見栄えが悪い。いつも青々としていたのに、今年の気候はここでも厳しかったのだろうか。

その8

その9

その10

その11

その12
ここ何年かは毎年訪れているが、早起きが苦にならないほど価値のあるもみじ。

その13
金堂にもしっかりと金色の陽射しが当たり始めた。僅かな時間でどんどんロケーションに変化が訪れる。

その14
この夜明けの時刻は目を見張る情景が広がる。

その15
今度は下から見上げて見ようか。一部分、まだもう少し色づきの悪いところがあるが、まあ、よしとしよう。今年は発色が悪いとささやかれている中、これだけの紅葉が見られたのだから。

その16
和気公霊廟もいい姿を見せてくれている。

その17
お不動さまもこれだけの紅葉が見られたらご機嫌さんだろう。

その18
そろそろお暇をしようかと名残惜しげに振り向くと、にらめっこをしたら負けてしまいそうな鬼瓦と目が合った。
お前、失礼なヤツやな・・・
す、すみません・・・orz

その19

その20
山門まで戻ってくると、もう陽は高く、シャワーのように輝いている。もっと長い時間いたような気がしたが、陽の高さからするとそうでもない。ぎゅっと詰まった時間を過ごしてきたのだろう。

その21

その22
山門を出ると、途端に俗世に戻ったような気がした。多くの参拝者が石段をひ~ひ~言いながら上がってくるのも見える。境内は静かで、鳥の鳴き声だけが響いていて、とても気持ちのよい早朝の時間を過ごしてきたことに嬉しく思う。

その23
帰り道、硯石亭のタヌキさんはまだ眠たそうだった。

その24
では川沿いに遡って次のポイントまで移動。この続きはまた今度。