
その1
さてさて、約2週間ぶりの先日の続き。

その2

その3
赤く照らされたカーテンの向こうでは殺戮が行われたという、やんわりとイメージさせる。

その4

その5

その6

その7
子供に教わった水路を通って敵陣に乗り込み、勝利を挙げる。そんな話を聞き母は気が狂いそうになる。

その8

その9
その子は自分の子供だと名乗りを上げたことで、佐々木盛綱は動揺する。

その10

その11
初めは激しい口調でなじったが、そのようなことをしても子供は帰ってこないと泣き崩れる。

その12

その13

その14
罪滅ぼしに自分を切れと刀を差しだし、あわや振り下ろす寸前まで行ったが、そのようなことしても子供は帰ってこないと再び泣き崩れる。

その15

その16
せめて子供の最期の様子だけでも知りたかった母は、どうしてこの世を去ることになったか、その理由があまりにも理不尽であることにとうとう精神の糸が切れる。居るはずのない幼い日に見た居るはずのない子供の姿を抱き、浜辺の自然や、どんな子供だったかと歌うのだった。

その17

その18
繰り返し、繰り返し歌う・・・

その19
そんな気の狂った母を、少年の悲しげな瞳がそっと見つめながら再び遠くへと旅立っていった。
お能は日本に於けるオペラ。日本語で歌われることと事前の予習、そして字幕が出ることでとても親しみやすくて理解しやすい。そしてこの藤戸で描かれているテーマはいつの時代でも当てはまる戦争と弱者の関係。光のあるところに陰がある。それはどのようなことに於いても言えること。光の当たったところにには、必ず影ができる。人はそれを忘れてはいけない。身の回りのことでも政治でも。自分が得をすることで損をする人もあると言うことだ。影の御陰で華やかな舞台に立てる。
色々気を遣いながらの撮影で、あとの処理もたいへんだったが、舞台撮影は元々大好きだ。朗読アンサンブルの皆さんの舞台がこのようなホールで行われるようになった頃からかなり嵌った。
実はこのお話を伺ったときにはどうしようかと悩んだのだが、結果的には自分にとっていい勉強になった。今回この機会を与えて下さった尾上先生にはとても感謝している。ありがとうございました。もしも再びこのような機会を与えて下さるなら、喜んでお受けしたいと願う。