
その1
やっと本題まで辿り付けた・・・ 公演の時だけの臨時職員(笑)みたいな仕事をさせて頂いているおかげで、再び海外公演に付いていくことができた。今回は小さいながらもちゃんとした国立劇場での公演と言うことで、そちらのプロのスタッフと一緒に作り上げていたようなものだ。
特に照明の女性スタッフのアーニャは、ひとつ言えば10理解してくれるくらいのベテラン。7月に京都市国際交流会館での資料をまとめて持って行き、助っ人に頼んだお能の経験もある大学の先生に通訳して頂いて、細かな注文にも応じて頂いた。会場の大きさの関係もあり、同じようにはいかないが、ロシア人の照明技術と感性をコラボして、凄いものができたと思う。
音楽操作には留学中の京産大の学生さんに来て頂いたのだが、こう言ったことに強い同じく留学中の友人に頼んでくれて、こちらも細かな調節までできる頼もしい助っ人に助けて貰いながら、音響効果もばっちりだった。
初めて顔を合わせて2日間で作り上げたロシアバージョンの「うたかたの 花の夢」、多くの方々に助けられ、ご指導をいただき、7月のプレ公演よりもっといいものを作り上げることができたと思う。
そんな公演の開始前の舞台挨拶は、通訳とガイドをしてくれた現地のガイド、エカテリーナさんだ。日本にも留学していたという日本語も堪能で、日本の文化にもかなり精通している彼女は、挨拶のロシア語通訳を買って出てくれた。娘の晴れ舞台をお母さんも見に来て下さったらしい。
と、舞台裏の説明はこれくらいにして、ストーリーも気にせず、どんな舞台だったのかどうか見て欲しい。衣裳は京都府から声が掛かったおかげで、上等なちゃんとした舞台衣裳を井筒企画さんからお借りした。アーニャ手作りの照明はシートを切って手作りした木漏れ日と、お能の舞台背景にある松が見所のポイントだ。

その2

その3

その4

その5

その6

その7

その8

その9

その10

その11

その12

その13

その14

その15

その16

その17

その18

その19

その20
コントラストもきつく手持ち撮影も暗い舞台ではかなりしんどくて、三脚を据える場所もなく、たいへんだった。動画撮影用に自立タイプの一脚を立てるスペースがやっとで、劇場内はきっと30度に近いくらいの酷い気温という、かなり過酷な環境での舞台と撮影だった。高いISO感度での撮影はノイズも強く、帰ってからの現像作業は旅の疲れも出て死にそうだった。それでもなんとか見られるくらいに仕上がり、改めて見ているとみんなで苦労して作り上げた作品なんだと感無量だ。
公演時間は1時間40分余り。舞台上は照明の熱で床暖房くらいに暑い。客席もエアコンは入っているがあまり効果はなく、多くの人が扇子で扇いでいる。山田知事さんと奥さまはきちっと和服姿で、知事さんの紋付き袴はまたよくお似合いだった。扇子で扇いでおられたが、それでも涼しい顔。同行した人たちの中には、向こうの州政府の方たちがきちっとスーツ姿を崩しておられないのに、ジャケットを脱ぎ、ネクタイも外して公演の途中で出たり入ったり。エカテリーナに、挨拶の時に暑いからジャケットを脱いで楽にして下さいと言ってくれないかと言うと、州政府の方に対してそんな失礼なことは絶対に言ってはいけない、暑くても服装を乱してはいけないのだと言われた。そんなことがあったので、暑い暑いと途中で席を立つ人が非常に見苦しかった。同じ日本から来たものとして、恥ずかしいと思った。そう思ったら知事さんはやっぱり紳士だ。行政の上に立つ人はやっぱり違う。
そんなこんなで、舞台だけは大成功だったと思う。初日に来られたお客さまの中には、一緒に写真を撮りたいと入れ替わり立ち替わりだったし、入国時に一緒になった男子学生とその叔母さまも来て下さり、そんなことにも嬉しくなった。しかしその時は私は撮影が必死で、感動する暇もなかったのだった。
され、舞台は終わったが、もう少し旅行記の続きを残しているので、この続きはまた今度。